らう 助動詞 特殊型《接続》活用語の終止形に付く。 活用{○/○/らう/らう/○/○}〔推量〕…ているだろう。…のだろう。…だろう。▽原因・理由や現在の事実について推量する。出典閑吟集 「宇治(うぢ)の川瀬の水車(みづぐるま)、なにと憂き世をめぐるらう」[訳] 宇治川の瀬にある水車は、どうしてこのつらい世の中をまわっているのだろう。◆助動詞「らむ」の変化した語。中世後期の語。 らう 【労】 名詞①骨折り。苦労。出典徒然草 一二九「顔回(がんくわい)は、志、人にらうを施さじとなり」[訳] (孔子の弟子の)顔回は、その心がけは、他人に苦労をかけまいということである。②功労。年功。出典源氏物語 真木柱「宮仕へのらうもなくて、今年加階し給(たま)へる心にや」[訳] 宮仕えの功労もなくて、今年(三位に)昇進なされた(感謝の)気持ちか。③熟練。経験を積むこと。行き届いた心遣い。出典源氏物語 絵合「深きらうなきおれ者も」[訳] 十分な経験を積むことのない愚かな者でも。 らう 【廊】 名詞寝殿造りなどで、建物と建物とを結ぶ、板敷きの渡り廊下。⇒細殿(ほそどの)・渡殿(わたどの) らう 【霊】 名詞「りゃう(霊)」に同じ。 |