す・ぐ 【過ぐ】 自動詞 ガ行上二段活用活用{ぎ/ぎ/ぐ/ぐる/ぐれ/ぎよ} ①通り過ぎる。通過する。過ぎる。出典更級日記 大納言殿の姫君「呼びわづらひて、笛をいとをかしく吹き澄まして、すぎぬなり」[訳] (車の主は)呼びあぐねて、笛をたいそう見事に一心に吹いて、通り過ぎて行ってしまうようだ。②時がたつ。経過する。過ぎる。出典新古今集 夏「春すぎて夏来(き)にけらし白妙(しろたへ)の衣(ころも)干すてふ天(あま)の香具山(かぐやま)」[訳] ⇒はるすぎてなつきにけらし…。③消え失せる。人が死ぬ。出典万葉集 二〇七「沖つ藻(も)のなびきし妹(いも)は黄葉(もみちば)のすぎて去(い)にきと玉梓(たまづさ)の使ひの言へば」[訳] ⇒あまとぶや…。④超過する。過ぎる。出典伊勢物語 二三「筒井(つつゐ)つの井筒にかけしまろが丈(たけ)すぎにけらしな妹(いも)見ざるまに」[訳] ⇒つつゐつの…。⑤まさる。以上である。出典徒然草 五二「聞きしにもすぎて、尊くこそおはしけれ」[訳] 聞いていたのにもまさって、けだかくいらっしゃった。⑥暮らす。生活する。出典宇治拾遺 一・三「人に交じるに及ばねば、薪を採りて世をすぐるに」[訳] 世間とつきあうことができないので、薪を採って生活していくうちに。 |