たうば・る 【賜る】 他動詞 ラ行四段活用活用{ら/り/る/る/れ/れ} いただく。出典宇津保物語 藤原の君「御返りは必ずあらむ。たうばりてまうで来(こ)む」[訳] お返事はきっとあるでしょう。私がいただいてまいりましょう。◆「たまはる」の変化した語。 たば・る 【賜る・給ばる】 他動詞 ラ行四段活用活用{ら/り/る/る/れ/れ}いただく。▽「受く」「もらふ」の謙譲語。出典万葉集 一四六二「たばりたる茅花(つばな)を食(は)めど」[訳] いただいたちがやの花を食べたけれど。◆謙譲の動詞「たまはる」の変化した語。上代語。 たまは・る 【賜る】 >[一]他動詞 ラ行四段活用活用{ら/り/る/る/れ/れ}①いただく。ちょうだいする。▽「受く」「もらふ」の謙譲語。出典源氏物語 桐壺「禄(ろく)ども、しなじなにたまはり給(たま)ふ」[訳] 褒美などをそれぞれにいただきなさる。②お与えになる。くださる。▽「与ふ」の尊敬語。出典平家物語 一〇・藤戸「備前の児嶋(こじま)を佐々木にたまはりける」[訳] 備前の国(岡山県)の児島を佐々木にお与えになった。◇中世以降の用法。 >[二]補助動詞 ラ行四段活用活用{ら/り/る/る/れ/れ}〔動詞の連用形、また、それに接続助詞「て」が付いた形に付いて〕…ていただく。▽謙譲の意を表す。出典徒然草 八七「まげて許したまはらむ」[訳] ぜひともお許しいただきたい。◇中古末期以降の用法。 たまわる 【賜る】 ⇒たまはる |